八千代市消防本部のデジタルインテグレーション

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八千代市消防本部のデジタルインテグレーション

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ドローン隊「POLARIS」

ドローンの活用・普及を図るドローン隊「POLARIS」。POLARISの意味は北極星で、北の夜空で光り輝く不動の星として、今回導入した最新鋭の情報通信系設備が10年後もぶれることなく光り輝いていて、職員の道しるべとなって欲しいという思いを込めて命名した。隊のエンブレムもオリジナル制作。ドローンはズーム機能を搭載した最新のMAVIC2ZOOMを導入。

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ドローン画像伝送システム「LoopGate」。写真はアタッシュケース型の送信機。(㈱フルテック)
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ドローンを活用した救助訓練。
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写真はモニターに映し出されたドローン撮影映像。全ての映像情報は署内情報共有システムにて、全ての署所に配信、情報共有が可能。
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中央指揮隊の指示要請によりドローンでの情報収集活動を実施。
ドローン遠隔情報共有「Hec-Eye」

「Hec-Eye(ヘックアイ)」はドローンからの取得情報を地図上に集約し共有する先進的なプラットフォーム。多目的情報共有ディスプレイのタッチディスプレイ機能を活用し、記入・共有・記録が可能だ。令和4年度の本格導入に向けて試験導入を現在・実施中。市防災部局との連携も視野に入れている。

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消防正監 関口一博

消防正監 関口一博八千代市消防本部 消防長

「ネットワーク、ドローン、高所監視カメラの更新、共同指令センターの調整など様々な整備事案が重なり、同時に行うことになった。大規模災害時には本部に参集せずに地域の災害に対応できるようにしなければいけないという課題もあった。我々も変わっていかなければならない時代。若い世代がデジタル(情報)を使いこなし、他市に誇れるようなプライドを持ってもらえればよいと思っている」

消防司令 池部知

消防司令 池部知八千代市消防本部 指揮指令課 係長

「署内マルチネットワーク」は年間約7000万円のコストダウンを実現

今回のプロジェクトを5年間、一貫して担当。今回のプロジェクトの実務上の特長は、とりまとめ役のITベンダー等が存在せず、池部司令自らが複数の協力会社と数次のミーティングを重ね独自開発したこと。対費用効果もリース形態を基本としたこと、前述の開発体制、共有・共通化による経費削減等から年間約7000万円のコストダウンを実現した。

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署内のオンライン説明会。今回の導入ではコロナ禍の影響で全回オンライン形式で行われたが、これが逆に説明効果を高めた。中枢スタッフへの操作説明会は対面形式で行われ、活発な意見交換もあった。本年度は従来の図上訓練に加えて、署内マルチネットワークを駆使した実践的な総合訓練を計画する。
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360度カメラによる火災調査の映像。今後、調査報告書を作成する際の現場の確認も、例えば現場の裏側の状況、天井側の状況なども画像で簡単に確認することができるようになる。
八千代市消防本部において2021年(令和3年)2月より共同指令センター移行に合わせ「署内マルチネットワーク」の運用が開始された。日本ではデジタル庁の始動、また民間部門では経済産業省が提唱するDX(デジタルトランスフォーメーション) など、デジタル/ITの積極的活用・導入の必要性が叫ばれている。八千代市消防本部の試みは時代を合致した取り組みなのか。「署内マルチネットワーク」の全貌を紹介する。
文◎榎本洋 写真◎小久保陽一、八千代市消防本部 Jレスキュー2021年5月号掲載記事

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