東京消防庁9HR 林野火災対応は頭脳戦だ!【後編】

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東京消防庁9HR 林野火災対応は頭脳戦だ!【後編】

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東京消防庁9HR 林野火災対応
いよいよ消火活動を実施する。林野火災では空中消火を主体に消火を行い、地上部隊の放水で鎮圧を図る形となる。地上部隊は65mmホースにより水を受ける消火筒先を中心に、背負い式放水器具を装着した隊員が加わる。放水線は各筒先が横一線に並ぶように配置し消火活動を行う。背負い式放水器具も放水射程が約10mあり、充水を繰り返しながら継続的に放水を続ける。
東京消防庁9HR 林野火災対応
空中、そして地上からの消火で目に見える炎を叩いたならば、続けては目には見えぬ残った火種を見逃さずに叩いていく。小型赤外線カメラを駆使して残存火源の確認を行い、高温な箇所が確認されればスポット的に注水を実施。また、堆積物などの下に残存火源が潜んでいることも考えられるため、熱電対温度計を活用して堆積物内部の温度もチェックする。こうした装備は署隊には配備されておらず、まさに9HRだからこそ備える装備の活用といえる。
東京消防庁9HR 林野火災対応
林野火災においては、隊員はホースに何リットルの水が入っているのか、火元で放水するには何リットル必要か、計算した上で活動できなければならない。そこで、水量の計算式や数値をあらかじめ頭に入れておく必要がある。
東京消防庁9HR 林野火災対応
【中編】の記事はコチラ
写真・文◎木下慎次(特記を除く) Jレスキュー2025年3月号掲載記事 (部隊の編成や隊員の役職・階級は取材当時のもの) ※本訓練は山中での活動を中心とした内容であるためスーパーポンパーによる水利部署や送水といった項目は割愛し、現場直近の防火水槽(100立方メートル)に9HRの普通ポンプ車(大量放水仕様)が部署して送水を実施しているとの想定(仮想)で実施されている。

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