ロープレスキューの種をまく GRIMPDAY想定解説(その1)

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ロープレスキューの種をまく GRIMPDAY想定解説(その1)

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GRIMPDAY想定解説(その1)
ストロングサイド(スタート地点)の状況。どちらも限られたスペースしかない。
GRIMPDAY想定解説(その1)
エイドクライミングを使用してアクセス。
GRIMPDAY想定解説(その1)
ウィークサイドの上部まで引き上げたところ。
GRIMPDAY想定解説(その1)
ウィークサイド要救助者を引き上げた後、テンションラインに移行。
GRIMPDAY想定解説(その1)
ストロングサイド、テンションラインをカットして下ろし作業。
GRIMPDAY想定解説(その1)
下部アンカーの状況。
ポイント:柔軟な対応力と個人のアクセス技術

規模としては小さい想定ではあったが、暗所、狭所という条件の中で、非常にテクニカルなシナリオであった。光の届かない場所はヘッドライトの明かりのみが頼りになる。

引き上げたロープをハイラインに切り替えたり、タグラインを上下のコントロールラインに切り替えたりと、1つのロープを用途を切り替えながら使っていくという柔軟な発想とそれを全員が理解して活動するという対応力が求められるものであった。

またエイドクライミングの技術を使用してのアクセス、さらにFinish5のため隊員が早急に帰ってこなければいけないということもあり、個々の基本的なアクセス技術もポイントであった。

この想定のJW9PMは結果的に非常に効果的なプランニングを行ったが、途中でプラン変更したことで、不必要なロープを持参するという場面もあった。現場においては突発的なプラン変更は仕方のない部分もあるため、臨機応変な対応力は重要であるが、なるべくプラン変更にならないように事前にもっと十分にブリーフィングを行っても良かったかもしれない。

日本チームは海外チームに比べて全体にブリーフィング時間が短い。良い点でもあるかもしれないが、こうした複雑でテクニカルな活動になれば、より丁寧なブリーフィングが必要であると感じている。活動時間は、事前のブリーフィングも含めて61分。

コントローラー&オブザーバーからのフィードバック

特に大きな指摘はなく、非常にスピーディで丁寧な活動で、かつ柔軟な発想で効果的な救出プランであったという高評価だった。結果として想定ごとの順位も1位であった。

クロスホールの救出システムを選択したチームの横移動時の状況。高さを維持するために両側で引き合うようになるため、担架も揺れてしまい要救助者への負担も大きくなる。
世界大会GRIMPDAY2022の想定と解説 その1
文◎GRIMP JAPAN Jレスキュー2023年1月号掲載記事