大雪でも火事は起こる<br>これが豪雪地帯ならではのスゴ技だ!<br>【白山野々市広域消防本部】

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大雪でも火事は起こる
これが豪雪地帯ならではのスゴ技だ!
【白山野々市広域消防本部】

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雪上での消火活動の展開方法

吸管投入
豪雪地帯の消火活動 白山野々市広域消防本部
火点直近の水利まできたら、ストレッチャーから可搬ポンプを降ろして吸管を投入する。用水路等から取水する場合、水量が少ない場合がある。その際は防水テント布で製作したせきとめ器で水をせき止め、かさを増す。吸管籠の下1/3程度まで水が溜まれば放水できる。
豪雪地帯の消火活動 白山野々市広域消防本部
豪雪地帯の消火活動 白山野々市広域消防本部
河川で使用する際はせきとめ器を折り曲げた鉄棒とゾンデ棒で組んだ支柱で支える。川幅いっぱいに広げると溜まった水の圧力で押し流されるので、両サイドに隙間を作って多少の水を通すようにする。(写真は地上で組み立て方を再現したもの)
ホース展開
豪雪地帯の消火活動 白山野々市広域消防本部
水利が確保できたら、ホースを延長する。ホースは1ヵ所に設置して延長できる島田巻きにしておく。ホースは火点までの距離に応じて最大4本まで延長するが、雪上は摩擦が少ないので地面よりも重さは感じない。
ホース延長
雪上での消火活動の展開方法
接合金具は金属なので雪や小石がくっつきやすい。そうなるとしっかり結合できなくなるので、金具は地面にはつけず、膝か胸のあたりで結合する。
雪上での消火活動の展開方法
雪の挟まりなどにより結合が不完全となり、金具が離脱するのを防ぐため、塩ビパイプと紐でオリジナルの金具外れ防止器具を作成。金具結合後オス側に器具をはめ、メス側に紐を結びつける。
放水開始
雪上での消火活動の展開方法
可搬ポンプを始動させ、放水を開始する。(背景の車輌は指揮車。消防隊の出動は通常はCD-Ⅰだが、指揮車にも資機材搬送用バスケットストレッチャーの収納場所が確保されている)
消防監・山口博文

消防監・山口博文白山野々市広域消防本部 次長兼消防課長

消防車が入っていけなければ、ホースもポンプも自分たちで運んでいくしかない。 北陸屈指の豪雪地帯では、こんな方法で真冬の山間部の消火活動に取り組んでいる。
写真◎中井俊治 Jレスキュー2016年5月号掲載記事 (役職・階級は取材当時のもの)

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