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台湾消防の大規模災害即応体制
2024年4月3日台湾花蓮地震での初動
2024年4月3日7時58分、台湾(中華民国)花蓮県東方沖で発生したM7.2大地震に、台湾の消防は初動でどう動いたのか。
台湾花蓮地震発災日(1日目)
ただちに空中勤務部隊ヘリコプ ター4機が出動
2024年4月3日7時58分、台湾(中華民国)花蓮県東方沖でM7.2の大地震が発生した。発災日(1日目)、8時には内政部消防署緊急対応チームが直ちに中央災害応変中心(国の災害対策本部)を設置(指揮官は蔡総統)。同時に国防部(防衛省)C‐130H輸送機2台、空中勤務部隊ヘリコプター4機が出動し、消防署直轄の特種捜救隊と、台南市、高雄市、屏東県の特種捜救隊の合計77名の隊員、捜索犬5頭を花蓮に輸送した。また内政部長も視察のために被災地に入った。
発災日2日目、3日目と続いていく救助活動
2日目、花蓮市に指揮本部と調整本部を設置し、地震で発生した堰止湖の評価と交通規制を実施。発災3日目、被災状況がピークに達し、死者10名、傷者1133名、孤立者705名、行方不明者18名に。道路の復旧活動を急ぐため、東西両側からアプローチすることに。東側には、内政部消防署特種捜救隊が聯合指揮センター(UCC)を設立。ホテルの駐車場にヘリポートも確保。西側では内政部消防署特種捜救隊が南投県消防局で指揮本部を設立し、救助活動を開始した。
今回の地震は、1999年の「921大地震」以来の規模の大地震であり、被害状況としては死者13人、負傷者は1146人に上った(2024年4月10日時点)。消防の救助活動は、台南市、高雄市、基隆市、南投県、屏東県、台東県消防局と内政部消防署特種搜救隊が被災地の支援を継続し、4月10日(発生日含め8日間)までに、国防部(防衛省)、內政部(警、消、空中勤務)、交通部等の部署で延べ1万2142人、各種車両・機械1051台が動員された。