一酸化炭素充満、作業員2名が脱出不能!<br>東京消防庁「特別救助隊」効果確認

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一酸化炭素充満、作業員2名が脱出不能!
東京消防庁「特別救助隊」効果確認

東京消防庁では2025年(令和7年)9月9日、第三消防方面訓練場において令和7年度特別救助隊消防活動技術訓練効果確認を実施した。

写真・文◎伊藤久巳

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マンホール内で一酸化炭素が充満、作業員2名が脱出不能!

東京消防庁では2025年(令和7年)9月9日、第三消防方面訓練場において令和7年度特別救助隊消防活動技術訓練効果確認を実施した。この効果確認は、庁内全23特別救助隊(各3部隊)から選抜された代表隊が参加する年に一度の厳しい評価の場である。

設定された想定は、一酸化炭素が充満するマンホール内で作業員2名が脱出不能というもの。救出方法は各隊に一任され、制限時間は25分。もちろん、想定時間内に2名をただ救出できればいいというものではなく、隊長の指示、救助の正確性、迅速性はもとより、とくに安全管理面が厳しく問われる。また隊全体に加えて、隊長、各隊員それぞれの動きも細かく審査される、年間でもっとも厳しい審査会といっても過言ではない。

ほとんどの参加隊が時間内の要救助者救出には至らず、一連の動きを取材した青梅特別救助隊もあと一歩のところで時間切れとなった。各隊の活動の正確さ、迅速さは眼を見張るものだったが、これは東京消防庁救助課が特別救助隊に求めるレベルがいかに高いかを物語るものだった。

青梅特別救助隊の訓練を指揮した消防司令補・亀崎俊昭隊長は次のように振り返った。
「隊員たちは日頃の訓練の成果を十分に出せていたと思う。スピードは大切だが、ただ早いだけでは何も意味をなさない。今後も訓練に励んでいきたい」

東京消防庁「特別救助隊」効果確認
現着、活動開始。面体を着装した1番員が直ちに携帯型マルチガス検知器で環境測定。地上部分はクリアだが、発動発電機の排気が充満するマンホール内は一酸化炭素濃度が400ppm。隊長はマンホールの周囲半径90cm範囲に進入統制ラインを設定。
東京消防庁「特別救助隊」効果確認
マンホール内の要救助者検索、救助には1番員と3番員、地上からの救助用資機材送り込み、梯子クレーン設定などは2番員と機関員が当たる。マンホール内進入降下のための確保ロープの支点は救助車のフックを使用。
東京消防庁「特別救助隊」効果確認
まず、1番員がマンホール立坑下の要救助者救出のため進入。
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立坑下の要救助者は意識朦朧。1番員が立坑下でハーネスを設定して3番員が確保ロープを引きつつ救助完了。マンホールの周囲には進入統制ラインが設定されている。救出した一人目の要救助者からは、マンホール内の奥の要救助者は崩れたコンクリートに挟まれているとの情報。

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青梅特別救助隊がマンホール内部で救助活動開始!