東武鉄道と連携した<br>列車火災・多数傷病者対応訓練<br>―東京消防庁板橋消防署―

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東武鉄道と連携した
列車火災・多数傷病者対応訓練
―東京消防庁板橋消防署―

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東京消防庁板橋消防署
救助隊により救出された乗客は心肺停止状態であることから救急隊による心肺蘇生が行われる。
東京消防庁板橋消防署
負傷者は迅速に救急車で医療機関へと搬送される。
東京消防庁板橋消防署
救急隊員は可能な限り多くの命を救命するため、緊急度と重症度に応じて区分けするトリアージが行われる。
東京消防庁板橋消防署
消防隊と警察官が連携し、車内から負傷者を次々と救出する。
東京消防庁板橋消防署
懸命な救護活動を行う救急隊。
【第2訓練】鉄道事故救助訓練
東京消防庁板橋消防署
交通救助や震災によって列車による災害が発生することを想定した救助活動の訓練も行われた。
東京消防庁板橋消防署
ポートパワー(10t)を2本設定。救助隊長の合図に隊員たちが息を合わせ手動式油圧ポンプを操作する。
東京消防庁板橋消防署
訓練終了後に東武鉄道関係者より、列車をジャッキアップする際の注意点などについて説明を受ける。車輪をジャッキアップすることは救助隊で可能であるが、荷台を上げるには鉄道業者と連携した活動が必要となることが共有される。
東京消防庁板橋消防署
訓練終了後、板橋消防署の松本欣也署長よる講評が行われた。
東京消防庁板橋消防署
訓練に参加した東武鉄道、板橋警察署、板橋消防署、板橋消防団の皆さん。
「本訓練から得たこと」

Profile

消防司令補・石川祐一

消防司令補・石川祐一

東京消防庁板橋消防署 3部特別救助隊長

鉄道災害時の安全管理については、消防隊は必ず鉄道会社の現場責任者と連携し、列車の運行停止および安全措置の確認を行う。特に軌道敷内に進入して活動する場合は、活動範囲の安全を最優先にする必要がある。

また、本訓練のように意図的な災害と判明した場合は、鉄道会社による乗客の避難誘導や警察官による安全確保措置が先行して行われる必要があり、通常とはまったく異なる事態であるので、各関係機関が連携して活動することが大切である。

救助技術については、資器材選定や操作技術も大切であるが、まずは要救助者への声掛けや苦痛の軽減、悪化防止を念頭に、救急隊やDMATの医師等と連携し、要救助者の社会復帰を第一に考え、安全かつ迅速にすることが必要だと思う。

今後期待されることは、駅や鉄道内での大規模災害時には、状況が刻々と変化するので、鉄道、警察、消防の各関係機関がそれぞれの専門性を活かし、情報共有を行い連携することで、正確な状況把握ができ、より安全かつ迅速な対応が可能になると考えている。

ITABASHI RESCUE

東京消防庁板橋消防署
本訓練に参加した東京消防庁板橋消防署の3部の特別救助隊の皆さん。左から、消防司令補・石川祐一(隊長)、消防士長・志水利哉、消防副士長・井上貴之、消防副士長・國友快人、消防士長・久々宇一暁(機関員)。
東京消防庁板橋消防署は、2025年(令和7年)2月26日、東京都板橋区内にある東武東上線操車場において東武鉄道と連携した「列車火災・多数傷病者対応訓練」を実施した。
写真◎編集部

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