
Report
東武鉄道と連携した
列車火災・多数傷病者対応訓練
―東京消防庁板橋消防署―
東京消防庁板橋消防署は、2025年(令和7年)2月26日、東京都板橋区内にある東武東上線操車場において東武鉄道と連携した「列車火災・多数傷病者対応訓練」を実施した。
写真◎編集部
東京消防庁板橋消防署は、東京都板橋区内にある東武東上線操車場において東武鉄道と連携した「列車火災・多数傷病者対応訓練」を実施した。訓練参加関係機関は、東武鉄道、板橋警察署、板橋消防署、板橋消防団が参加した。
訓練想定は、東武東上線車両内で不審者が可燃性の液体を撒き、ライターで着火して火災が発生し、列車は緊急停車。不審者はナイフを持って暴れており、負傷者が多数発生したというもの。
警察と消防隊が現場に到着し、車外へ逃走した不審者を警察官が制圧すると同時に、消防隊が避難誘導と消火活動を、救助隊は車内に取り残された負傷者を救出した。その後、消防団員との連携を図りながら負傷者をトリアージポストへ搬送し、救急隊が救護にあたって救急車で搬送した。
さらに第2訓練として、人が列車の下敷きになった想定で、消防の特別救助隊が列車のジャッキアップ訓練を実施。警察は不審者が鉄道車内に化学剤を放置していた想定で、警視庁の専門部隊により毒劇物処理を非公開で実施した。
板橋消防署の松本欣也署長は、訓練後に「本訓練を通して東武鉄道、消防、警察との緊密な連携を確認することができ頼もしく感じました。また、このような訓練を企画していただいた東武鉄道の関係者の皆さまには心から感謝したいと思っております。今回実施した訓練のような人為的被害が発生した場合、特に人為的危険がなくなったという情報を得るまでは消防隊は現場で活動することが難しい状況におかれます。本訓練想定のような災害が発生した場合は、警察と消防はより緊密に情報共有を行い、さらには任務の明確化、緊密な連携をお願いしたい。消防隊と消防団については、負傷者の人命を最優先とし、苦痛の低減を第一に考えて、重傷者のトリアージを行い、早期に病院搬送するという意識を隊員一人一人が強く思うことが重要であります。今後もあらゆる災害に対応できるように精強部隊育成に力を入れていきたいと考えています」と述べた。

【第1訓練】列車火災・多数傷病者対応訓練





次のページ:
消防隊や救助隊が現場到着! 活動開始!