Report
台湾「2024年国家防災日 大規模震災合同訓練」取材レポート(1)
―2024.0919-0920―
台湾の防災の日である9月21日に合わせて、国家規模の大規模震災訓練が開催された。
そのメイン会場での訓練、展示内容について紹介する。
「921大地震」が契機
日本における「防災の日」が9月1日であるように、台湾にも「防災の日」がある。9月21日に設定されており、これは1999年9月21日1時47分18秒に台湾中部の南投県集集鎮付近を震源としたM7.6の地震に由来する。この地震では死者2415人、負傷者1万1305人、行方不明者29人と多くの犠牲者が発生し、921大地震や集集(シュウシュウ)地震と呼ばれる。
台湾では、毎年この9月21日を起点に全土を挙げて大規模な訓練を実施している。この度Jレスキュー編集部は台湾で行われたこの大規模震災救助訓練を取材したので、その様子をレポートする。
2024年は発災から25年目
今回は921大地震から25周年ということで、この訓練に台湾国内隊員だけでなく、アメリカ、日本、ドイツ、韓国、フィリピンの計5カ国から103名の海外隊員が参加した。他の防災部門および台湾駐在事務所を合わせると、9カ国で総勢約200名近い国際参加があった。
参加している国の数や人数に圧倒されるが、台湾としては他国の協力なくして災害に打ち勝てないという考えのもと、これだけの国と人数を招待し、大規模な訓練を展開している。このことから、他国を受け入れる受援側としての動きやその後の他国との共同作業は見事なものであった。
長年に渡って行われている他国を招待しての合同訓練は、いつ起こるかわからない大災害に対する最大の準備と言える。
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倒壊危険を想定した訓練