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市民とともに備える
令和7年度 佐野市総合防災訓練
2025年(令和7年)10月4日「令和7年度 佐野市総合防災訓練」が実施された。
写真◎編集部
地域の力で災害に立ち向かう
市民参加型の防災訓練
2025年(令和7年)10月4日、佐野市高萩町のイオンモール佐野新都市、佐野日本大学短期大学、グランディ新都市セントラルパークを会場に、「令和7年度 佐野市総合防災訓練」が実施された。
本訓練は、佐野市地域防災計画に基づき、大規模災害発生時における効果的な災害応急対策の確立を目的として行われたもの。防災関係機関の連携強化や、市民の防災意識の高揚、技術の向上を図ることを狙いとしている。
訓練想定は「栃木県南部での直下型地震発生」。震源は佐野市付近、深さ10キロメートル、マグニチュード7.6の地震が発生し、市内では震度6強を観測。建物倒壊や土砂災害により多数の負傷者が出るという想定のもと、災害対策本部が設置され、情報収集、救助・救急救護、消火などの初動対応が展開された。
今回の訓練は、従来のように各機関が個別に展示・実施する形式ではなく、発災から救出・救助の完了までを一連の流れとして行われた点が特徴だ。現場の緊張感や連携の重要性をリアルに体験できる訓練として注目を集めた。
新たな防災の形へ、ドローンが拓く災害対応の未来
本訓練ではドローンを活用した訓練も新たに導入。上空からの情報収集や孤立地域への物資輸送など、最新技術を用いた防災活動が披露された。人的被害の恐れがある危険区域でも、安全かつ迅速な活動が可能であり、今後の災害対応における有効性が示された。
一方、展示エリアでは市民参加型のイベントも多数開催。特殊車両の展示や、VR起震車による地震体験、電力・水道・ガス・通信各社による啓発展示、移動販売車による食事提供など、子どもから大人まで楽しく学べる工夫が随所に見られた。
防災は「行政や機関だけのもの」ではなく、「地域全体で取り組むもの」であることを再確認する一日となった。
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消防・警察による連携した救出救助訓練が繰り広げられる!