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土砂災害での「トレンチレスキュー」実践!
令和7年度 埼玉県第4ブロック緊急消防援助隊合同訓練
初の試みとなった救急中隊合同訓練
埼玉県第4ブロック緊急消防援助隊合同訓練では、今回県内初の試みとして「救急中隊合同訓練」が実施された。
この訓練は、大規模災害時に緊急消防援助隊埼玉県大隊として出動する際、救急部門と医療チームが円滑に連携し、人命救助に迅速かつ確実に対応できる体制の確立を目的としたものだ。
訓練の想定は「X県北部地震」。地震と土砂災害の影響でZ市内に多数の傷病者が発生したとの報告を受け、救急中隊と指揮隊は集結地から転戦し、現場での救助・救命活動を展開するという設定で行われた。
午前中は、DMAT(災害派遣医療チーム)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、埼玉県医療整備課による現場医療活動の講義やチームビルディングなどの机上訓練を実施。午後からは、より実践的なトリアージ対応訓練が行われ、限られた資源の中でいかに迅速に命を救うかという、災害医療の要となる判断力と連携力が磨かれた。
今回の訓練を通じ、救急隊員と医療スタッフが互いの役割を理解し合い、災害現場での「命をつなぐ一体的な活動」の重要性を再確認。県民の命を守る最前線で、埼玉県第4ブロックの救急隊がさらに頼もしい存在へと成長していることを実感させる訓練となった。
救急中隊訓練には、埼玉県第四ブロック内指揮隊1隊、救急隊8隊、日本DMAT3チーム、埼玉地域DMAT5チームが参加した。
※埼玉地域DMAT:埼玉県内での大規模災害や事故が発生した際、災害急性期(概ね48時間以内)に活動する医療チーム。国が定める日本DMATの基準を踏まえつつ、埼玉県内の災害対応に特化するために県が指定したチーム。
【救急中隊実動訓練】
《救急要請》
指令ポイント Z市地内
地震と土砂崩れにより、多数の傷病者が発生した模様。
埼玉県大隊救急中隊および埼玉DMATはZ市内救急増隊要請の下命を受け出動する。負傷者にあっては多数いるが人数は不明。そのほかの詳細がわからず、まだどの部隊も到着していないとのこと。
《追加情報》
土砂崩れの危険はなし。傷病者は十数名程度いるとの情報。まもなく現着。なお、救助隊が現着し活動中、搬送隊への支援は人員不足のため不可能とのこと。