指揮能力&活動能力の向上を目指す<br>川崎市消防局「救助隊技術確認訓練」

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指揮能力&活動能力の向上を目指す
川崎市消防局「救助隊技術確認訓練」

川崎市消防局は10月16・17日の2日間、「令和6年度救助隊技術確認訓練」を実施した。

写真◎幡原裕治

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技術と災害対応能力、チームビルディングを高める

川崎市消防局は10月16・17日の2日間、川崎市宮前区にある川崎市消防訓練センターで、市内8消防署に配置されている特別高度救助隊および特別救助隊の全16隊が参加する「令和6年度救助隊技術確認訓練」を実施した。

川崎市消防局令和6年度救助隊技術確認訓練
令和6年度救助隊技術確認訓練の開会式。16日に各救助隊の警防第2課が参加し、17日に警防第1課が参加した。

同消防局では年に1回、救助隊長の指揮能力の確認および隊としての活動能力向上を目的に同訓練を実施している。令和6年度の同訓練では、訓練想定が3種類あり、参加する救助隊には約1カ月前にすべての想定が発表された。このうち、実際に活動する想定は1種類で、どの想定で活動するのかは約1週間前にそれぞれの隊に発表される。同訓練には通常の災害対応と同じく1隊5名で活動し、使用する資機材は事前に示された資機材が用意されるほか、隊ごとに持ち込みたい資機材がある場合は使用が可能となる。また、訓練の評価は救助係長に加え、令和6年度から同消防局が新設した救助隊指導担当係長の2名が、事前に定められている同訓練の評価の統一事項と評価表に基づいて実施した。

3種類の訓練は、高所救助が1種類と低所救助が2種類。このうち、低所救助の2種類は令和6年中に実際に同消防局の管内で発生した事案が基となっていた。

高所救助訓練

川崎市消防局令和6年度救助隊技術確認訓練
高所救助の想定は、要救助者が隣接する共同住宅の屋上から落下したというもの。落下した場所(写真左の訓練塔屋上)は解体予定ビルの屋上部分であるため、ビルの入り口が施錠されている。そのため、屋上には階段を使用せずに到達する必要がある。
川崎市消防局令和6年度救助隊技術確認訓練
三連はしごを架梯し、屋上へ進入する宮前消防署の特別高度救助隊員。
川崎市消防局令和6年度救助隊技術確認訓練
屋上にかぎ付きはしごで担架を降ろすための支点を作成する。
川崎市消防局令和6年救助隊技術確認訓練
かぎ付きはしごの上部を支点にしてバスケット担架に固定した要救助者を降ろしていく。
川崎市消防局令和6年救助隊技術確認訓練
建物下の地上にいる隊員は、2本のリードロープを使用して担架が建物に接触するのを防ぐとともに、担架の揺動も抑える。

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掘削作業現場を想定した低所救助訓練

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