倒壊した日本式家屋から救命するための訓練を実施 <br>―減災ソリューションズ―

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倒壊した日本式家屋から救命するための訓練を実施
―減災ソリューションズ―

株式会社減災ソリューションズは4月19日と20日の2日間、千葉県船橋市の日本大学船橋キャンパスで木造建物からの救出訓練を実施した。

写真◎編集部

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救命を重視した救助活動訓練

株式会社減災ソリューションズは4月19日と20日の2日間、千葉県船橋市の日本大学船橋キャンパスにおいて、同社の開発した救助訓練用設備「Rescue Training Module 2025」を使用した、木造建物からの救出訓練を実施した。

Rescue Training Module 2025は、日本の建物事情や災害形態に即した実践的なUSAR訓練を安全かつ効果的・効率的に推進できる訓練設備。今回の訓練は、2階建ての木造建物の1階部分が座屈倒壊した状況を再現して行われた。19日は、CSM(Confined Space Medicine)に関して災害現場等での実践経験やJDR等での専門的な訓練経験のある救急救命士や医師・看護師を対象に実施された。また20日は、消防職員の救助隊員を対象に、木造倒壊家屋の建物評価および救出要領の習得、Rescue Training Module 2025の有効な活用方法の確認という2項目を目的に行われた。

本記事では訓練2日目の模様をお届けする。

訓練前に日本家屋の構造などを確認

減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
訓練に使用された救助訓練用設備「Rescue Training Module 2025」。小屋根のある下屋付き2階建て木造家屋で、1階部分が座屈倒壊した災害現場を再現した。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
訓練前の座学で最初に「Rescue Training Module 2025」の特徴を説明する株式会社減災ソリューションズの代表取締役社長で博士(工学)、上武大学客員教授の加古嘉信氏。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
2階建て木造家屋の構造について模型を使用して説明する日本大学理工学部建築学科教授で博士(工学)の減災ソリューションズ技術顧問・宮里直也氏(写真右)と、この日の訓練でスタッフとして安全管理等を担当した明石市消防局の消防司令補・中村昇一氏(写真左)。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
訓練の進行と、資機材の取り扱い方法の説明、安全管理等を務めた明石市消防局の消防司令長・吉岡利征。中村氏と吉岡氏、宮里教授の3名は加古氏が研究した要救助者の挟圧解除手法の論文で共著に名を連ねている。この協力関係は兵庫県下消防長会での救助手法の検討がきっかけで実現した。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
この日の訓練のために用意された充電式丸ノコ、充電式ハンディソー、充電式インパクトレンチ等の使用方法の確認のため、2階部分床板に設定された合板を切断する。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
2階部分の床板を切断し、座屈した1階の天井板も切断。2階床板と1階天井板の距離や構造を実際に把握する。
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
減災ソリューションズ 木造建物からの救出訓練
加古氏らの研究で、挟圧状態の要救助者を救助するために床板を切断して押し下げることで挟圧解除が行えることを実際に参加者が体験する。挟圧状態の要救助者の周囲2カ所(上と右)の床板を切断した状態で木材をかませて一度挟圧状態にし(上写真)、その後に床板を下げて挟圧解除されるかを確認する(下写真)。

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