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【コラム】元消防士による「ミニチュア工芸展」大盛況で終了
さて、本命のミニチュア纏飾りですが、皆さんは纏のルーツは戦国武将の幟旗にあったというのはご存じでしたか?
実は纏はもともと群雄割拠の戦国時代に、戦場で敵味方の目印として用いたもので、的射(まとい)あるいは馬印(うまじるし)といわれ、形は幟旗形式でした。江戸時代に入り太平の世が続くと武家の的射は使われなくなり、これに代わって火消しが火災現場で用いる標具となりました。
町火消しが誕生したのは江戸中期、享保3年(1718年)ですが、このころの纏は、戦国時代同様の幟旗形式でした。今日見られるような形になったのは享保15年(1730年)で、いろは48組、本所深川16組の合計64本の纏がありました。
最後に。
50歳で消防を退職してから10年、退職と同時に工房を開設し、紆余曲折がありながらも10年の節目としての個展を開催しました。現職当時の仕事は命がけでしたが、その思いをそのまま纏作りに活かし、いわば作品に命を吹き込む思いでここまでやってきました。10年が経ち、なんとか生活できるようになりました。これからも、作品を購入される方々の安寧を願い、地道に作品を作り続けていきたいと思っています。
初の「ミニチュアまとい工房展」に、多くの方々に足を運んでいただき、ありがとうございました。