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【コラム】東京消防庁の救助車側面番号が消えた理由

東京消防庁は、平成15年度以降の救助車Ⅱ型から側面の番号表記を廃止した。その理由とは?

文◎伊藤久巳、写真◎編集部

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東京消防庁の救助車の側面は、稲妻のような斜めの白いライン(スワローライン)が入っており印象的な車体デザインだが、後部の資器材ボックスの側面シャッターに「東京消防庁第11消防特別救助隊」のように特別救助隊の前に数字が付いている車両があった。現在は救助車に「東京消防庁 特別救助隊」とだけ書かれているが、平成11年度までに更新されたものには数字が付いていた。この数字は何を意味するのだろうか。

東京消防庁特別救助隊
東京消防庁麴町消防署永田町出張所配置の永田町特別救助隊。第一方面本部の1番号目の救助隊であることから「第11消防特別救助隊」と表記されていた。また、同救助隊は「国際消防救助隊(IRT)」登録部隊であったことから、英語の正式名称である「International Rescue Team of Japanese Fire-Service」と追加標記されている。

これは、東京消防庁の特別救助隊は、以前は隊名とは別に数字による呼称が付けられていたためだ。二桁の数字は通し番号ではなく、十の位が消防方面の所属を、一の位が方面別に特別救助隊ができた順番を表している。つまり、第11消防特別救助隊といったら、第一消防方面本部管内の1番目にできた特別救助隊、すなわち永田町特別救助隊ということになる。

特別救助隊の数字による隊名呼称は、出場指令をはじめとする指揮命令系統で使用されることはなかったものの、運用する救助車に堂々とその名が標記されたほか、たとえば第11消防特別教助隊であれば「11R」のように路号化され、保安帽や防火帽の後部の所属名として標記されるなど、さまざまな場所に使用されていた。

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側面番号が消えた理由に迫る

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