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【コラム】東京消防庁の小型オフロード消防車
「レッド・レディバグ」って何?

東京消防庁が令和4年度(2022年度)に独自予算にて配備した救出救助車「レッド・レディバグ」。地震災害や土砂災害により一般的な消防車の進入が困難な場合などで性能を発揮する。総務省消防庁無償貸与車両と併せて紹介しよう。

写真◎編集部
取材協力◎東京消防庁

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小型オフロード消防車「レッド・レディバグ」の役割とは?

小型救助車
東京消防庁第九消防方面本部消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)に配備されている救出救助車「レッド・レディバグ」。

近年、激甚化する大規模災害に備えるため、東京消防庁では東京・八王子市にある第九消防方面本部消防救助機動部隊(通称、九本部ハイパーレスキュー)に小型オフロード消防車となる救出救助車(全地形活動車)を配備した。

同車両は、山岳救助現場における資器材搬送や、林野火災現場での一般的な消防車両の進入が困難な地域において、高い機動力を生かした活動を行うために導入された。また、タイヤをクローラーに換えることもできることから、震災現場や土砂災害現場、浸水地、不整地での走行、さらには泥濘地や急斜面などの走行も可能だ。

小型救助車
乗車定員は3名で、最高速度は約72km/hの走行が可能。
川崎重工業 MULE POR

ベースシャーシは川崎重工業のMULE PRO。大型特殊自動車免許で運転が可能で、国内公道走行対応可能とするため各種灯火類やドア、ミラーを架装した仕様だ。消防車両としての艤装と販売はモリタが扱っている。

車両の特徴として、通常走行や悪路での走行を想定していることから、パートタイム式の四輪駆動車で、二輪駆動および四輪駆動の切り替えが可能となっている。また、車両がスタックした際に自力での脱出を目的とした電動ウインチ(最大約2t引き)をフロントバンパーに装備している。

車両後部の荷台は電動油圧式ダンプ機構となっており、ダンプチルトが可能で、最大積載量400kgを確保している。荷台にはコンテナボックスを災害の用途に応じて選択し積載する。小型でありながら高い機動力と搬送能力を兼ね備えた救出救助車は、災害時に多目的な車両としての活躍が期待できる。

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救出救助車の車両装備をディテールアップ!

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