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【コラム】消防車は赤色じゃないって知ってた?

消防車といえばピカピカに磨き上げられた真っ赤なボディが印象的。でも赤色じゃないって知ってた?

写真◎編集部

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消防士や消防車ファンなら消防車は赤色ではないことをご存知であろう。ただ一般的に表現すれば「消防車は赤い」と呼ばれている。

厳密に言うと消防車の色は『朱色』である。

これは法律で「消防自動車にあっては朱色」(道路運送車両の保安基準)と定められているからだ。ただし、これは厳密にいえば色見本を示しているわけでもないので、消防車を製造するメーカーによっては多少は色にバラつきがある。

そもそも消防車はどうして赤いのか?

それは初めて外国から輸入した蒸気ポンプや消防車が赤色だったからというのが有力な説である。蒸気ポンプが初めて日本に輸入されてきたのは明治時代、消防車は大正時代であった。当時は赤い車もおらず、炎の色を連想させ、火への警戒心を高めるということから赤色が採用されたようだ。さらに赤色は最も波長が長くて視認性が高い色であることから、科学的に見ても理に適っているともいえる。

しかし、海外では消防車は必ずしも赤色ではない。アメリカでは黄色、白色、緑色、中には黒色やピンク色など地域によってカラーバリエーションがあり、しかもすべて色味を調合されて塗装されている。

最近では、日本の消防本部で耐用年数が過ぎた消防車がフィリピンなどに輸出され、リメイクされたことにより新車のような消防車というよりもデコトラ(デコレーショントラック)に近いような艤装が施され日本の消防車ファンからも注目されている。

国内を見ても、地域によってはさらに消防車の視認性を高めた「蛍光朱色」塗装を施された消防車もあったりする。

また、近年では消防車の塗装の質も向上したことから色味のバラつきも減り、耐用年数を迎えても新車同様の輝きを放っている消防車も多い。それには他に、消防署員の日頃からの点検整備と相棒である消防車を大切にするという思いからなのだろう。

消防車
大正9(1920)年製のフォードT型消防自動車。現代の消防自動車の色とは印象が違い、あずき色に近い色味をしていた。(消防自動車博物館所蔵)
消防車
現代の消防自動車は、さらに視認性を高めるために再帰性に富んだ反射材を車体デザインの一つとして取り入れている。
消防車
地域によっては蛍光朱色を採用した消防自動車もある。オレンジ色ではなく「蛍光朱色」なので覚えておこう!
消防車といえばピカピカに磨き上げられた真っ赤なボディが印象的。でも赤色じゃないって知ってた?
写真◎編集部

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