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電動・自動化ソリューションが多数「危機管理産業展2025」(後編)

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電動タイプの可搬消防ポンプ

トーハツ株式会社は電動可搬消防ポンプ「VN130A」を展示。等級はD-1級で、ポンプとは別体にしたケースに内蔵したリチウムイオンバッテリーで駆動する。

放水性能は毎分130リットル、放水圧力は0.3MPaとなる。従来のエンジン駆動でなくなったため、メンテナンスの手間の削減と静粛性の向上を実現した。液晶タッチパネルで直感的に操作が可能になるため、女性の消防団員や少年消防クラブでの運用にも適する。

危機管理産業展2025
電動可搬消防ポンプ「VN130A」(写真左)。黒いケース(写真右)にリチウムイオンバッテリーを内蔵する。

林野火災で活躍する小型送水装置セット

株式会社シバウラ防災製作所は、小型送水装置セット「Black Hawk1」を展示。

専用のバックパックに、40mmの3m吸管、フート弁付ストレーナー、吸管取付媒介、放水弁取付媒介、町野式ストップバルブなどをまとめて背負って運搬し、林野火災時の送水に使用する。可搬消防ポンプで採用している真空ポンプの代わりに、手動プライミング式を採用をしているため、取り付け作業をせずにすぐに水を吸えるのが特徴だ。動力はエンジンで、自動車用のレギュラーガソリンで駆動する。乾燥時の総重量は9.5kgとなる。

危機管理産業展2025
小型送水装置セット「Black Hawk1」。バックパック下部にはホースを2本積載可能。

化学防護服着用時に有効な小型マイク

こちらは「危機管理産業展2025」と同時開催していた「テロ対策特殊装備展(SEECAT)2025」に出展していたサカイ商事株式会社のスロートマイク「SM-10J」。首の部分に装着して使用する。

発声時に喉(声帯)の振動をマイクの端子がピックアップして電気信号に変換することで音声を伝達する。高騒音下でも周辺の影響を受けずに装着者の音声のみをピックアップするため、必要な情報を伝えやすい。イヤホンジャックは2.5mm径または3.5mm径に対応する。

同社は各レベルの化学防護服着装時の会話伝達手段として同製品を訴求している。

危機管理産業展2025
頭部人形の喉部分に装着されているのがスロートマイク「SM-10J」。防毒マスクの装着時にも干渉せずにマイクが装着可能だ。
危機管理産業展2025
実際に装着した様子。出展者と離れて会話したが、はっきりと音声を聞き取ることができた。
2023年10月1~3日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで展示会「危機管理産業展2025」が開催された。同展示会は「防災・減災」、「BCP・事業リスク対策」、「セキュリティ」の3分野を中心に、さまざまな課題やリスクに対処するための製品・サービスが集まる。この展示会で出展・展示された消防関連のものを紹介する。
写真◎編集部