News

電動・自動化ソリューションが多数「危機管理産業展2025」(後編)

2023年10月1~3日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで展示会「危機管理産業展2025」が開催された。同展示会は「防災・減災」、「BCP・事業リスク対策」、「セキュリティ」の3分野を中心に、さまざまな課題やリスクに対処するための製品・サービスが集まる。この展示会で出展・展示された消防関連のものを紹介する。

写真◎編集部

Twitter Facebook LINE

工場火災等での使用を想定した放水支援ロボ

株式会社赤尾のブースで展示されていたのは、国内で自律巡視ロボティクス開発等の事業を展開しているTOMPLA株式会社が開発中の放水支援ロボット「Auto Porter Rescue」。機体の大きさは縦・横・高さが各約60cmで、40mmホースを接続して放水を行える。工場やトンネル内部など進入リスクの高い場所での火災で使用することを想定している。

無線コントローラーで機体の移動操作、放水角度の調整、機体前部に設置したカメラのチルト操作を行う。見通しが良い場所であれば、150m程度まで離れても操作が可能だ。オプションで段差が多い・大きい場所向けのクローラー変更と、赤外線カメラの搭載に対応する。

危機管理産業展2025
放水支援ロボット「Auto Porter Rescue」。

狭小空間の検索向けドローン

こちらも赤尾のブースで展示されていたTOMPLAが開発中の屋内向けドローン「Small Doctor 02」。

非GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)環境の屋内や地下空間での使用を想定したドローンで、トンネル内や工場のダクトなどでの点検に使用することが想定されているが、消防においては即時進入ができない建物内や、地震で倒壊した建物内、CBRNE災害時の初動での情報収集といった用途での活用が見込まれる。機体の全長は約30cm、幅は約25cmで、60cm幅の空間における飛行が可能となる。飛行可能時間は約15分だ。

危機管理産業展2025
屋内向けドローン「Small Doctor 02」。

東京消防庁で使用されているVR消火訓練

東京消防庁消防学校の初任科でこの秋から使われている仮想現実で消火訓練を実施するためのシステム「消防活動訓練VR」。開発したのは株式会社マンカインドゲームスだ。

VRゴーグルを装着し、両手に持ったコントローラーを操作して消火活動の訓練を行える。初任科で火災現場がどのようなものかを知るためのツールとして使用されており、同社は他の訓練のVR化も目指していく方針だ。

危機管理産業展2025
ブースでは「消防活動訓練VR」のイメージ映像が流れていた。
危機管理産業展2025
ブースで「消防活動訓練VR」を体験する編集部員。住家に屋内進入して消火するモードを体験したが、火点の確認や放水など、屋内進入の消火がどのように行われるのか知ることができた。

次のページ:
消防団向けの資機材も