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放水ドローンのテストモデルなど展示「危機管理産業展2025」(前編)

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大流量放水を行う消火ロボット

櫻護謨株式会社がもっとも目立つ場所に展示していたのが自走式放水砲「蒼龍V型」の開発中のモデル。2口の放水口から最大で毎分4000リットルの放水が可能となる。

無線リモコンで操作が可能で、棒状放水と噴霧放水に対応している。放水角度はマイナス20度から70度。石油コンビナートや林野火災など、大規模な火災現場での使用を想定した資機材だ。

危機管理産業展2025
開発中の自走式放水砲「蒼龍V型」。

3種類のサイズが選べる消火用ブランケット

船山株式会社は、取り扱いを開始したイギリスのAVD社のリチウムイオン火災用ブランケット「AVDファイヤーブランケット」を展示。リチウムイオン火災や車両火災で火点を覆って窒息させることで消火を行うブランケットだ。

最大の特徴は3種類のサイズ展開をしていること。6000×8000mmで電気自動車や電動フォークリフトでの使用を想定するLサイズ。2600×3300mmで電動自転車や電動キックボードでの使用を想定するMサイズ。1700×2000mmでモバイルバッテリーやノートパソコンでの使用を想定するSサイズ。Lサイズは43.2kgだが、Mサイズは7.8kg、Sサイズは3.4kgと扱いやすくなっている。

危機管理産業展2025
リチウムイオン火災用ブランケット「AVDファイヤーブランケット」。写真はMサイズのもの。

救助現場で有効な照明ドローン

同じく船山が取り扱いを開始したセントラル警備保障株式会社の照明ドローン「CSP-D_Light530」。一般的なドローンが装備しているカメラ類を装着しておらず、LED照明のみの装着した照明機能に特化したドローンだ。

有線で給電して係留飛行で使用するため、飛行申請を必要としない。給電装置は持ち運びが可能なケースとなっており、給電装置単体で運用できるほか、100Vコンセントでの使用も行える。1機でサッカーコート1〜2面分の範囲を照らすことが可能であるため、夜間の救助活動などで活用することでスムーズな活動につながる。

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照明ドローン「CSP-D_Light530」。4基のLED照明を備える。

海外製の大型放水ドローン

こちらも船山が展示していた放水ドローン「Cesur-Ⅲ(シーザー3)」。トルコのスタートアップ企業が開発し、日本の株式会社エクセディと株式会社ワールドリンク&カンパニーが国内展開を目指している。

最大高度80mからポンプ圧力2.5MPaでの放水が可能。各メーカーのガンタイプノズルが取り付けられ、ホース径は40・50・65mmに対応する。今年の全国消防救助技術大会でデモンストレーションの飛行と放水が行われた製品だ。

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放水ドローン「Cesur-Ⅲ(シーザー3)」。機体の幅は約3m。トルコで開発された製品だが、エクセディとワールドリンク&カンパニーが日本仕様にアレンジを加える予定だ。
2023年10月1~3日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで展示会「危機管理産業展2025」が開催された。同展示会は「防災・減災」、「BCP・事業リスク対策」、「セキュリティ」の3分野を中心に、さまざまな課題やリスクに対処するための製品・サービスが集まる。この展示会で出展・展示された消防関連のものを紹介する。
写真◎編集部