化学消防ポンプ自動車(CD-Ⅰ型)岡山市消防局

日本の消防車両

化学消防ポンプ自動車(CD-Ⅰ型)岡山市消防局

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小型車でA・B火災までカバー

化学車で行くことが決定すると、次はサイズ選定である。装備係は当初中型化学車の導入も視野に入れていたが、維持費の面や取り回し等を考慮し、結果的には泡放射砲車(2tシャーシ)とほぼ同等であるCD-I型ポンプ車サイズとした。加えて、事案数の多い一般火災にも対応できるように、クラスB泡消火薬剤だけでなくクラスA泡消火薬剤も同一の混合装置を使って混合できる仕様にしたかった。そのため600L(B薬液)・40L(A薬液)の2つの薬液槽と、両方の薬液をそれぞれ混合できる混合装置(フォームプロ)、A-2級消防ポンプを小型ボディに搭載した。先代車両では1000Lあった薬液槽は、車両総重量や車軸バランスを考慮し600Lにまで絞った。また軽量であることや薬液腐食に対する耐性を考慮し、薬液槽の素材にはポリプロピレンを採用した。

譲れなかった自車による薬液補充機能

既述のとおり先代車両は自車両で補給することができなかったため、薬液を補充する際は泡原液搬送車のカニポンプを使用していた。これが不便だったため、同車はドラム缶を横づけして自車で薬液を補充できるように薬液の自動補給システム「パワーフィル」をどうしても取り付けたかった。パワーフィルは薬液槽と車両側面内側にあらかじめ配管を通しておき、自動で泡消火薬剤を補給するシステム。ピックアップチューブをドラム缶等に入れ、ボタンひとつで補給することができる。

しかし、ここで問題が発生する。パワーフィルは駆動の際、電力を食うのだ。レンジャー級のシャーシならば問題ないのだが、デュトロでは電気量が足りなかった。オルタネーターを付け加えれば電気の必要量には達するが、装備係ではそうした例をこれまで見たことがなかった。しかしパワーフィルを設置できるか否かで、同車の運用のしやすさがまったく変わってくる。装備係があらゆる手を尽くして調べると、他本部の車両で一件だけそうした事例があることが判明した。特殊な改造であるが、オルタネーターを増設したことでパワーフィルを設置することができた。

左側面
左側面もシャッター収納で、ポンプ室と資機材積載庫の2面に分かれる。
左側面もシャッター収納で、ポンプ室と資機材積載庫の2面に分かれる。
ポンプ操作室
ポンプ操作室
左側面には混合装置や薬液補給システム関係はないので、空いたスペースに車輪止め置きを設置。
後部積載庫
後部積載庫にはホースブリッジや、放水銃用の泡アタッチメント(上・低発泡、下・高発泡)を収納。
サイドボックス
サイドボックスには二重巻きホースを収納。署ごとに色分けされており、南消防署は青色だ。
自衛噴霧装置
化学車として運用するため、CD-I型ながら自衛噴霧装置を両側面に2基ずつ備えている。
ブレーカー
キャブと後部のつなぎ目部分にはパワーフィルのブレーカーを搭載。
車上
放水銃
消防ポンプがA-2級のため、放水銃は2000L/mタイプを搭載。上昇下降の操作は手動。
薬液タンク。
クラスA泡消火薬剤の薬液タンク。
フレキシフォーム
可搬式高発泡装置に使用するフレキシフォームはスペースの都合上、車上に1式収納している。

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高発泡装置を2セット積載

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