救助工作車Ⅱ型 京都市消防局

日本の消防車両

救助工作車Ⅱ型 京都市消防局

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キャブ内
救助工作車Ⅱ型 京都市消防局
変速機は隊員からの要望でマニュアルにこだわった。京都市消防局では水槽車など2輪駆動の消防車についてはオートマ化が進むが、救助工作車はすべてマニュアルだ。資機材を満載して坂道を走行する際、マニュアルの方が力強く登はんできる。
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走行途上の車内はサイレン音や隊員のやりとりなどで喧騒を極める。ハンドセットでは聞こえにくい場合があるので、無線担当の隊員は受話器を耳に当てて無線情報を聞き逃さないように注力する。
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無線はデジタル式だが受話器はアナログ。
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常に情報がアップデートされる車載端末装置。
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後部座席の背もたれ部分に予備ボンベ(火災用4.7L)4本を収納し、後部収納庫の容量確保に努めている(後部収納庫には水難用ボンベのみ積載)。
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キャブ内の天井には収納ラックを2カ所装備。その分、空間の高さが低くなるので、通常の高い座席では防火帽がガンガン干渉する。空間を広くとるため、跳ね上げ式でも落とし込み式でもなく、固定式のイスを採用。
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空気ボンベ1本は助手席と運転席の間の隊長の呼吸器の後ろのデッドスペースに積んでいる。これはエアジャッキ等、空気ボンベを使った救助機材を使用する際に、すぐに取り出して活動するためのもの。
ウインチ
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車両の回転性能向上のため車両前部バンパーの張り出しを短くしたかったので、フロントのウインチはドラムがアンダーフロアにある、アンダーフロア式のロッツラーHZ051/2-58Fを選定。
運用部隊
救助工作車Ⅱ型 京都市消防局
山ノ下特別救助隊は火災、建物救助、水難救助、交通救助、山岳救助に出動し、人命救助活動を主に行う精鋭部隊。第二部の面々は、中央の隊長・佐々木康裕(消防司令)以下、近藤裕二(消防司令補)、相模洋太(消防士長)、浅田 瞬(消防士長)、林 勇太(消防士)。(所属と階級は取材当時のもの)
五面図
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救助隊であっても最低限、水を出せないといけない

救助隊であっても最低限、水を出せないといけない〜京都市消防局総務部施設課の角川佑介に聞く〜

京都市消防局が運用する救助工作車では、これまでずっとポンプを積んできた。これは木造建物が多い地域特性に由来する。木造建物は延焼スピードがとても速く、放水が遅れれば遅れるほどどんどん延焼してしまう。救助隊が火災現場に最先着したとして、消防隊が到着するまでの間に、放水できるのとできないのとでは、結果が全然違ってくるからだ。

さらに、救助隊は人命救助を最優先に活動する隊だが、建物火災で救助活動を行うにあたって、燃えている家に入るのに、援護注水は絶対になくてはならない。いや、援護注水なしに入るというのはありえない。これは自分の身を守るためというだけでなく、助ける人の身を守るためでもある。ポンプがなければ消防隊の到着を待たなくてはいけない。それではまさに今、手を振って「助けてくれ!」といっている人に対応できない。救助隊はやはり最低限、水を出せる能力を持つべきだ。

装備担当者

装備担当者

車両を作成した総務部施設課の角川佑介消防司令補。本車両の配備を見届けて局勤務を終え、消防隊に異動した。(取材当時)

救助工作車Ⅱ型 京都市消防局
【SPECIFICATIONS】

車名:日野
通称名:レンジャー
シャーシ型式:SDG-GD7JGAA改
全長:6910mm
全幅:2370mm
全高:2970mm
ホイルベース:3280mm
最小回転半径:5.1m
車両総重量:8620kg
乗車定員:6名
原動機型式:J07E
総排気量:6400cc
駆動方式:4×2
ポンプ:A-2級
ウインチ:50kN(5t)HZ051/2-58Fロッツラーウインチ
クレーン:なし
照明装置:佐藤工業所製SP-Q20およびフラッシュボーイソブライトⅡミックスタイプ
水槽:なし
配備年月日:平成30年3月27日
艤装メーカー:帝国繊維

京都市消防局 伏見消防署山ノ下消防出張所[京都府]
写真◎京都市消防局 日本の消防車2019掲載記事

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