救助工作車Ⅱ型 京都市消防局

日本の消防車両

救助工作車Ⅱ型 京都市消防局

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ひと目でわかる資機材庫
救助種別ごとの収納配置

更新車両は新たにホースカーを積載したものの、予備ボンベを資機材庫から後部背もたれ部分に移動することなどで積載スペースを確保。従来の車両に比べると、スペース自体は若干少なくはなったものの、従来通りの資機材の搭載を可能にしている。

資機材庫は、たとえば新配置された隊員であっても迷うことなく活動できるよう、資機材を救助種別に分けて収納できるように設計した。すなわち、左前が重量物破壊器具、左後ろがロープ関係、後部が放水器具関係、右前が水難救助器具、右後ろが一般救助器具と大きく分けている。今後は京都市消防局として、どの車両も同じ位置に資機材を積めるようにしていくことも検討するという。

積載する資機材にも機能はそのままに検討が加えられた。たとえばこれまでスプレッダーカッターはエンジンポンプ式を使っていたが、今回は電動式で可搬タイプのものを採用。コードリールやエンジンポンプが不要になり、その分の積載スペースをほかの資機材に充てられた。

また京都市消防局として初めてダンパー式の三連はしご昇降装置を採用。従来は5人という限られた人員のうち、ひとりが天板に上がってふたりがかりではしごを下ろしていたが、これによりひとりでの昇降が可能となっている。

ポンプ
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ローゼンバウアー社のN35ポンプ。基本寸法は1075×1050×930mm(仕様により異なる)。車両後部に搭載した場合、ポンプの上あるいは左右も資機材収納スペースとすることが可能。
右側面
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前が水難救助器具、後ろが一般救助器具の資機材を積載。資機材収納スペースを有効活用するためあえて収納庫は布製のベルト式に。扉式は物の大きさを選んでしまうが、前面がベルトならちょっと外に膨らんでも収納できる(あるいはベルトに変えられるような扉にしている)。中に何が入っているか外から確認しやすいというメリットも。
車載端末装置で呼び出す隊員が足で稼いだ情報

キャブで目を引くのがナビ状の車載端末装置だ。これは京都市消防局の消防指令センターにある指令管制システムと連動しており、通常のカーナビの機能に加えて、地図上の住宅の世帯情報を呼び出せる仕様になっている。たとえば居住人数、避難が困難な高齢者等がいるかどうか等の情報だ。これらの情報は、消防職員が各家庭を訪問して防火点検を呼び掛ける際に、承諾を得たうえで聞き取ったものをシステムに入力し、反映させたものだ。

また世帯情報以外にも、たとえば道の広さや狭さによる運転のしやすさ、町並みの様子とその細かい変化など、各隊員が足で稼いできた情報は、その日のうちにシステムに落とし込んでいく。さらに京都らしい工夫が、国宝や重要文化財などの文化財情報もシステム上に網羅している点だ。人命救助が最優先なのはもちろんだが、京都のみならず日本の宝といえる重要文化財の所在を把握しておくことで、寺社仏閣において火災等が発生した場合の現場活動に活かす体制を整えている。

このようにハード面のみならず、ソフト面においても熟成を深めた1台が山ノ下特別救助隊の救助工作車Ⅱ型であり、2018年(平成30年)3月27日に配備された。

その他の資機材
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救助ボートはアルミ縞板ボックスに収納される。
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ウェーバー社製の電動スプレッダー、カッターを新規導入。エンジンポンプやホースが不要になった。
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山ノ下特別救助隊は水難事故が多発する宇治川に近い配置なので、水難救助に対応するため救助ボートと船外機は常に積載とする。右側のカバーに覆われた資機材が船外機。
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ミリ単位で調整可能なスタブパックというウェーバーのあて木も新規の資機材。
車外設備
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アンカーについては牽引方向を制限しないようスイベル式で360度回転可能なフレノリンクボルト(マーテック社製)。
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車両天板周囲の手すりは、後部タイヤ部分の上部には設置せず、左右どちらもクリアな仕様。ベルトスリングを使用して車両の反対側からハイポイントアンカーを作りたいときに、邪魔にならないようにあえてその部分を取り外している。
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車体各部に設けられたアンカー。
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京都市内の消火栓は比較的潤沢で、市街地であれば100mに1個くらいの割合。ホースカーに6本、ホースバッグに2本×2、二重巻きホース1本の計11本のホースを積んでいるので、最大約200m延長できる。
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京都市では初採用のダンパー式の三連はしご昇降装置により、三連はしごはひとりで昇降が可能。

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