支援車Ⅳ型 <br>金沢市消防局

日本の消防車両

支援車Ⅳ型
金沢市消防局

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運転台
支援車Ⅳ型 金沢市消防局
カーボン調で仕上げたセンターコンソールにはサイレン、各種照明、消防デジタル無線機、サブバッテリーの制御装置が一括して設けられており、後席からでも操作可能。最適なボタン位置、押しやすい形状、目立ちやすさにまでこだわった。
操作性へのこだわり満載
  • 各種照明スイッチは設置位置に準じて配置
  • 外部スピーカーマイク、単信式無線の車外・車内放送の切替トグルスイッチは隊長席側
  • サブバッテリー充電のトグルスイッチはオレンジ色防水カバーを取り付け目立たせる etc...
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AVM装置は、作業卓だけでなく前部座席からも操作できるよう可動式。根元にはコンセントが設けられている。
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メインコンソール下部に輪止め2組の積載スペースがあり、作業卓側壁の輪止めとあわせ全乗車隊員が輪止めをかけられる。
使い方は256パターン
後方視界バツグンの大型警戒表示板

同車のリアウインドウに搭載されているのは、アイテックス製「ブラインド型車両搭載情報板」だ。従来のユニット型情報表示板は、車上設置では車高が高くなり、後部に設置すると後方視界が悪くなっていたが、この製品ではライン状のLEDがブラインド状に配置され、大型表示板でありながら後方視界を確保できる。わずか約1.5kgという軽量さが特徴だ。

元々高速道路で働く標識車の背面LED標識を製作していた同社と検討を重ねて消防車両仕様とし、警光灯やサイドブレーキ、ウインカーとの連動機能や、発出するメッセージが事前に操作装置の液晶画面に表示される機能を新たに追加。よく使う10種類はワンタッチで呼び出せるほか、制御部をPCと接続すれば全256パターンのメッセージを登録することができる。

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パネルは395mm×923mm。1文字あたり350mm×308mmという大型さだ。
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リアハッチを90度開けば光る対空表示にもなる。車両ができあがってから、こういった使い道に気づいた。
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メッセージの追加は、後部左側資機材庫に収納された制御部で。
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後席机上に設置された液晶画面付操作装置。ウインカー連動モード、減光モードを選択できるほか、よく使う10種類のメッセージはプリセットされている。発出するメッセージを選び、液晶画面で確認してから決定ボタンで発出する。
表示例
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ウインカーとの連動
「右折 >>>」
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プリセット
「追突 注意 ●●」
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フリーメッセージ
「金沢市 消防局」
指揮隊の「ほしい!」を叶えた金沢消防オリジナル指揮卓

指揮活動を行うにあたって、苦労するのが指揮本部の設置。指揮隊が現場に到着した際、現場近辺の道路はすでに車両やホースでいっぱいになっていることが多い。そのため指揮車から指揮本部まで、何往復もして資機材を搬送しなければならず、これでは時間的にも人員的にも効率が悪い。

そこで金沢市消防局では今回の警防車配備にあわせ、オリジナルの折りたたみ式指揮卓を作成。折りたたんだ天板のあいだにテントやLED自立型照明、旗、筆記用具などの収納スペースを設け、必要資機材を一度に搬送できるようにした。キャスター付きかつ軽量なアルミ製で、足場の悪いところでもひとりで簡単に搬送できる。

大規模災害時にはこのオリジナル指揮卓と市販のアルミ製サブ指揮卓を併用し、作業スペースを広くとることで指揮能力の向上を図る。

支援車Ⅳ型 金沢市消防局
天板は一般的な指揮卓と同じく、方眼入りのマグネット式防水シート。
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底面はキャスター付。折りたたみ時の高さは、左側積載棚の高さにあわせた。
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展開時には、キャスター部が中央部の脚になる。
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市内災害で使うサブ指揮卓にもケースとキャリーを作成。
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キャリー裏面にはスタンドが付いており、その場で立てかけることができる。
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キャリーから取り外せば、手提げで搬送できる。
五面図
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運用部隊
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金沢市消防局 警防課(左から) 警防係長・中村和則消防司令、担当課長・蔵義広消防司令長、警防係主査・山﨑顕男消防司令補、警防係・惣田大将消防士長。(取材当時)
装備担当者

装備担当者

金沢市消防局 警防課装備係(取材当時)
消防司令 山﨑正樹

支援車Ⅳ型 金沢市消防局
【Specifications】

車名:トヨタ
通称名:ハイエース
シャーシ型式:CBF-TRH226K
全長:5380mm
全幅:1880mm
全高:2580mm
ホイルベース:3110mm
最小回転半径:6.3m
車両総重量:3030kg
乗車定員:8名
原動機型式:2TR
総排気量:2690cc
駆動方式:4×4
配備年月日:平成30年3月12日
艤装メーカー:本田商会

金沢市消防局 警防課[石川県]
文◎橋本政靖 写真◎金沢市消防局 日本の消防車2019掲載記事

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