支援車Ⅳ型 <br>金沢市消防局

日本の消防車両

支援車Ⅳ型
金沢市消防局

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サブバッテリーで充実のギミックをサポート

電源系も充実した。車両バッテリーを電源とした1500WのDC/ACインバーターにより、車内で6口のAC100Vコンセントを使用できる。このほか、スマートフォン充電には欠かせないUSBコンセント2口、DC12Vシガーコンセント1口、車外AC100Vコンセントも設けられており、移動中や現場活動時に携帯無線機、携帯電話、デジタルカメラなどの充電や各種電気機器を使用することができる。

だが、バッテリー上がりによる走行不能は絶対に避けねばならない。そこで車載バッテリーへの負担を少なくするため、同車ではサブバッテリー(DC12V/100Ah)を搭載しており、各種電装系装置には通常車載バッテリーではなくこちらから給電される。待機中には、外部入力口から車載バッテリーとともにサブバッテリーにも同時に充電できるしくみになっている。バッテリー残量はセンターコンソールの液晶モニタから確認でき、緊急時には車両オルタネータでの充電も可能だ。

サブバッテリーの恩恵はそれだけではない。夜営地でエンジン音を気にせず車内照明を点けることができるし、なにより「活動隊員らが指揮本部を見つけやすくする」指揮車の役割も向上させた。とくに同車では、同じような指揮隊車両が多い場所での活動となるので、いかに見た目で差別化するかが重要になる。そこで、ルーフキャリア上に脱着式青色回転灯を取りつけて指揮隊位置表示とし、隊名標示の青色とあわせて一体感を演出。さらに後方車両への注意喚起として、バックドアガラス内側から外側に向かって設けられた大型警戒表示板を設置し、隊員の安全性にも配慮した。

ワンボックスのサイズながら、内部配置や資機材配置まで一分の隙なく考え抜かれた同車。さまざまな場面で指揮能力をフルに発揮できる車両に仕上がっている。

荷 室
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右側は事案によってコンテナを入れ替える側方出し入れの収納庫、左側は「とりあえず入れておく」放り込み式収納庫として別々の役割を持たせた。左側下部には無線機ユニットと大型表示板の制御部を収納。上部には吊り下げフックを配して防火衣等をかけられる。リアハッチ開放時に視認できる赤色灯位置にもこだわった。
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床面は防水シート張りで清掃がしやすい構造。床面に見えるレールはシート移動用である。
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右側資機材庫は、バックルコンテナの大きさに棚を設定し、災害種別によって積載コンテナを入れ替えて使用する。
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ルーフキャリア上に設けられた脱着式青色回転灯は、現場活動時にとりつけ、点灯させて現場指揮本部位置を明示する(走行中の点灯は認められていない)。
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台座にはラボジャッキを活用。無段階で伸縮させることができる。
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指揮台へ持ち運びやすいよう、無線送受話器、スピーカーおよび拡声用マイクがユニットになっており、車両後部左側棚に接続して使用できる。
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指揮本部の迅速な構築においても、さまざまな工夫が施されている。

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