ドローン+AI+スマートグラスを使用した水難救助訓練<br>―志摩市消防本部―

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ドローン+AI+スマートグラスを使用した水難救助訓練
―志摩市消防本部―

志摩市消防本部は、志摩半島南部の英虞湾(あごわん)で情報共有システム「3rd-EYE」を使用した水難救助訓練を実施した。

写真◎株式会社ロックガレッジ提供

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救助活動を効率化する情報共有システムを活用

志摩市消防本部は2024年(令和6年)12月10日、志摩半島南部の英虞湾(あごわん)で情報共有システム「3rd-EYE」を使用した水難救助訓練を実施した。

3rd-EYEは、株式会社ロックガレッジが提供しているドローンとAI、スマートグラスを組み合わせた情報共有システム。ドローンが撮影したライブ映像をAIが自動解析して捜索対象(人)の位置を特定し、指揮本部に設置したタブレットや活動隊員が装備するスマートグラスに捜索対象の位置座標や映像情報を表示できる。また、現場で活動する隊員が装着したスマートグラスを介して、隊員の視野も映像として指揮本部やスマートグラス同士で共有することが可能だ。同システムを利用することで、指揮本部は映像を確認しながら隊員に活動内容を指示し、デジタル地図を用いて目的地を共有するなど、要救助者の捜索状況をリアルタイムに確認することができる。

同訓練は、シーカヤックツーリング中の落水事故が発生し、行方不明者の捜索と救助を行うという想定で実施された。

3rd-EYE 水難救助訓練
訓練開始。指揮隊と救助隊、水難救助隊、消防隊が現場に到着後、指揮本部で指揮隊から各隊に活動方針が伝えられる。
3rd-EYE 水難救助訓練
隊員がAI搭載ドローンに捜索範囲を設定し、自動操縦で捜索を開始するために機体を離陸させる。
3rd-EYE 水難救助訓練
救助隊と消防隊はそれぞれの隊の一部隊員がスマートグラスを装着し、二手に分かれて海岸線の捜索を開始。スマートグラスを装着した隊員の視界は映像で指揮本部にリアルタイムで転送される。
3rd-EYE 水難救助訓練
指揮本部ではドローンとスマートグラスの映像をタブレットで受信。モニターでも映像を確認して各隊に指示を行う。
3rd-EYE 水難救助訓練
指揮本部のタブレットに表示されている情報の画面。右側が航空写真の画像で、指揮本部とスマートグラスを装着した隊員、ドローンの位置、AIが判別した要救助者の可能性がある人影等の位置が表示される。左上はドローンが撮影しているリアルタイムの映像。この画面には表示されていないがスマートグラスからの映像も同時に表示できる。
3rd-EYE 水難救助訓練
ドローンが撮影した映像でAIが要救助者らしき人影を表示。指揮本部が映像を確認し、水難救助隊が人影を撮影した座標へゴムボートで向かう。
3rd-EYE 水難救助訓練
左下が要救助者らしき人影を撮影した際の静止画。左上がドローンによって撮影されているリアルタイム映像で人影付近に水難救助隊のゴムボートが到着している。右側は現在の状況を示す航空写真で、水難救助隊が接触した要救助者らしき人影(X7)と、ボート(X6)の位置も表示されているほか、浜辺を捜索した隊のスマートグラスを着用した隊員の捜索範囲が線で表示されている。
3rd-EYE 水難救助訓練
訓練を終えて報告する指揮隊長と参加した隊員たち。
志摩市消防本部は、志摩半島南部の英虞湾(あごわん)で情報共有システム「3rd-EYE」を使用した水難救助訓練を実施した。
写真◎株式会社ロックガレッジ提供

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