東京DMAT発足20周年<br>医療機関と東京消防庁が救護訓練

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東京DMAT発足20周年
医療機関と東京消防庁が救護訓練

東京都保険医療局は2024年(令和6年)11月16日、、災害医療派遣チーム「東京DMAT」が発足20周年を迎えたことから、東京消防庁とJR東日本の協力により医療救護活動訓練を実施した。

写真・文◎伊藤久巳

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2004年(平成16年)、全国に先駆けて東京都が設置した災害医療派遣チーム「東京DMAT」が、令和6年度で発足20周年を迎えた。設置当初は東京都内7カ所の指定医療機関でスタート、現在では27指定医療機関へと増え、隊員数も約1000名を確保するに至っている。東京都内での災害だけでなく、都外での大規模災害でも活動。近年では令和6年1月の羽田空港航空機事故での活動が記憶に新しい。

東京都保険医療局ではこの機会をとらえ、令和6年11月16日、東京消防庁とJR東日本の協力により医療救護活動訓練を実施した。これはJR東日本東京総合車両センター(東京都品川区)で実際の鉄道車両を使用し、踏切内における列車と自動車の衝突事故を想定した大規模な訓練で、衝突した乗用車内からの救助活動中の医療処置、電車内での傷病者トリアージ、現場医療救護所での医療処置などを実施。東京消防庁からは計19隊の消防車両と隊員が参加した。

訓練を終え、東京DMAT運営協議会の山口芳裕会長(杏林大学医学部救急医学教室主任教授)は「我々は年に40回ほどの現場活動があります。その活動は、今日の訓練のような踏切事故や交通事故などで車両の下に人がいるなど局所災害が多いのですが、今後は首都直下地震などが想定されている。全国から集まった日本DMATとどう連携するか、受援をどうコーディネートするかという部分についても技術と知識をより磨いていきたいと思っています。今日は我々がこのような訓練ができたことはもちろんですが、皆さまの眼に触れていただくことができてとてもよかったです」と話した。

東京DMAT発足20周年
覚知と同時に特命出場した品川第1小隊が最先着隊。ただちに事故車両内部の要救助者の状態を観察する。
東京DMAT発足20周年
現着する消防隊、救急隊が次々と現着する中、電車の乗客の軽症者、無傷者が避難する。
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現場指揮本部は大井指揮隊。第二消防方面本部消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が現着し、現場観察を終えていた大井大隊長から乗用車内の要救助者2名の救出を指示される。

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ハイパーレスキュー隊による救助が開始される

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