消防署紹介<br>宮古地区広域行政組合 山田消防署(岩手県)

Special

消防署紹介
宮古地区広域行政組合 山田消防署(岩手県)

岩手県下閉伊郡山田町飯岡第1地割21番地4

文◎小針かなえ
写真◎井上健(warm heart)
Jレスキュー2019年3月号掲載記事

Twitter Facebook LINE
宮古地区広域行政組合 山田消防署
山田消防署の新庁舎は、町の中心部にあたる山間地を切り拓いて造成された公共防災エリアに立つ。約2.7haの敷地内に、消防署・交番・病院が配置され、隣接して教育機関、公共グラウンドの施設があり、さまざまなハザードに対応可能な環境が整えられた。
建築概要

敷地面積:6713.60㎡
総事業費:590,394,960円
規模・構造:鉄筋コンクリート造2階建
建築面積:824.93㎡
延床面積:1406.56㎡
付帯施設:〈主訓練棟〉鉄骨造6階建、〈補助訓練棟〉鉄骨造3階建

宮古地区広域行政組合 山田消防署
新庁舎屋上からは、山田湾を望むことができる。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
高さ19.3m、11.75mのふたつの訓練塔。背後には山間部を切り拓いたエリアであることをうかがわせる山々が広がる。27名の職員が日々ここで訓練を重ねている。
車庫
宮古地区広域行政組合 山田消防署
新庁舎の特徴のひとつがピロティ式の車庫。山田消防署は、指揮車2台・ポンプ車1台・指導車1台・資機材搬送車1台・救急車2台・水槽付ポンプ車1台・小型動力ポンプ付水槽車1台・救助工作車1台を保有する。これらの車両を機能的に格納し、安全かつ迅速に出動できるよう十分なスペースを確保し、利便性の高いレイアウトとした。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
車庫上部にも十分なスペースを確保。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
水槽車のような大型車両でも、上方に余裕がある。
1F
宮古地区広域行政組合 山田消防署
車庫への動線上にある出動準備室。オフホワイトを基調にした清潔感のあるスペースとなっている。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
救急消毒室。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
署所端末装置室。
2F
宮古地区広域行政組合 山田消防署
事務室は庁舎2階中央にレイアウト。新庁舎では、どの部屋でも可視性の高い空間づくりを基本としている。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
食堂・待機室。自然外光が入る、明るくオープンな空間となっている。署では24時間体制3部交代制で常時7人が待機しており、署員はここで食事やトレーニングをして非常時に備えている。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
宮古地区広域行政組合 山田消防署
仮眠室として男子用・女子用を整備。オフホワイトと木目調の備品でまとめられたシンプルで落ち着いた空間。24時間勤務する職員の生活スペースが機能的に配置されている。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
2階の待機室・事務室から1階に直結する専用階段。
宮古地区広域行政組合 山田消防署
浴室も窓が多く配され自然外光が入る設計。洗面・洗濯室も仮眠室のある2階にレイアウトされている。

次のページ:
東日本大震災から7年 公共防災エリアで活動開始

Ranking ランキング