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緊急消防援助隊が示した“出動力と統率”
令和7年度 埼玉県第2ブロック緊急消防援助隊合同訓練
2025年(令和7年)10月21日、埼玉県新座市の埼玉県新座防災基地および埼玉県南西部消防局新座消防署で「令和7年度 埼玉県第2ブロック緊急消防援助隊合同訓練」が実施された。
写真◎編集部
大規模災害に挑む、埼玉第2ブロックの連携力
本訓練は、千葉県を震源とする最大深度7の地震が発生。迅速な広域応援が求められる最悪の事態を想定し、第一次出動陸上隊が円滑に被災地へ向かい、力を発揮できる体制を検証することを目的に実施された。
訓練では、迅速出動区分I(最大震度7、特別区は6強以上)に該当する事案として、第一次出動都道府県である埼玉県大隊が、応援計画に基づき迅速な派遣を開始するシナリオで進められた。
代表消防機関からは、次の明確な指示が与えられた。
・第2ブロック中隊として集結し、一体となって被災地へ向かうこと。
・現地到着後もブロック単位で行動し、任務を遂行すること。
・第2ブロック中隊長は、埼玉西部消防局中隊の最高責任者が務めること。
これらは、大規模災害時に必要な「統率・迅速・連続性」を重視した指揮体制の確認でもあった。
参集から消火、救助まで全任務を“実戦的”に訓練
新座防災基地では、集結・出動準備、消火活動、給食、後方支援活動など、部隊運用全体の流れを実戦さながらに検証。一方、新座消防署では救助・救急活動訓練を展開し、要救助者の発見から救出、医療機関への引き継ぎまでの一連の動作を磨き上げた。各消防本部の部隊が動きを合わせ、任務を途切れなく連携させていく様は、まさに大規模災害に立ち向かう統合力そのものであった。
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