
Report
第46回 9都県市合同防災訓練
(さいたま市総合防災訓練)
2025年9月1日、第46回 九都県市合同防災訓練が埼玉県さいたま市の荒川総合運動公園をメイン会場で開催された。本レポートでは訓練の様子から参加・展示消防車両からヘリコプターをレポートする。
写真・文◎小久保陽一
首相も参加!総力で挑む大規模地震想定訓練
2025年(令和7年)9月1日、第46回 九都県市合同防災訓練が埼玉県さいたま市の荒川総合運動公園をメイン会場で開催された。訓練とあわせて隣接会場では「防災フェア」も開かれ、来場者を迎えた。
当日は気温40度近い厳しい暑さの中、午前10時のサイレンを合図に訓練が開始。想定は「埼玉県直下型地震(M7.3、最大震度6強)」で、市内全域に甚大な被害が発生、中央部では建物倒壊や交通網の寸断により多数の負傷者が出ている、というもの。
会場には高層ビル火災や鉄道脱線、乗用車事故などの現場が再現され、段階的に訓練が進められた。
冒頭のシェイクアウト訓練では大きな揺れを想定し、参加者が「低く、頭を守り、動かない」を実践した。



続いて陸上自衛隊UH-1Jヘリによる上空偵察、ドローンを使った被害確認、陸自と埼玉県警のバイク部隊による地上偵察などが行われた。その後は多重衝突事故からの救出、孤立者救出、応急救護所の設置訓練へと展開。さらに、地域住民による初期消火や救出活動の訓練も組み込まれ、「共助」の重要性を強調する内容となった。地元高校生も参加し、現場で積極的に活動した姿が印象的だった。
石破茂首相は、陸自のEC225LP政府専用ヘリで会場に到着後、地元高校生からAEDの使用方法や簡易テント・ベッドの設営についての説明を受け、自ら体験した。



一連の訓練の後、閉会式が行われ、石破茂首相が挨拶。猛暑の中で実施された今回の大規模訓練は、首相や防衛大臣をはじめとする多くの関係者、消防・警察・自衛隊、さらには地域住民や高校生の参加によって、災害対応の総合力を確認する貴重な機会となった。
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救出救助から消火活動、参加消防車両や展示車両をレポート!