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PPE除染に優れた「防火衣ランドリーシステム」~ しっかり洗濯除染することが「文化」として根付いてほしい ~
PPE除染の重要性に着目して「防火衣ランドリーシステム」の開発・展開を進めてきた株式会社エスエスティー。令和7年度に入った今、その機械特性と新製品開発などについてお話をうかがった。
写真・文◎木本晃彦
除染効果が高いのは、専用機による60℃洗浄
従来の防火衣は、主に耐熱・耐炎性、動きやすさ、軽量化が重視されてきたが、近年は世界的にも微粒子や化学物質に対する防護性能向上が重要視されてきている。また(株)エスエスティーの洗濯機・乾燥機が設置されている東京消防庁技術安全所のレポート「火災現場で発生する有害物質の危険性に関する検証(第3報)」によると、防火衣用洗濯機、家庭用洗濯機、ブラシで比較検証した結果、防火衣用洗濯機の60℃洗浄が最も高い除染効果を示し、また手洗い(ブラシ)は効果が低く不適格と結論付けられた。
エスエスティーのランドリーシステムの特徴は、60℃洗浄が可能な防火衣専用洗濯機(スペイン・ギルバー社製)に加え、防火衣仕様の専用乾燥機もラインナップとして扱っている点である。防火衣の乾燥については、様々な本部において、時間がかかる、均等に乾かないなどの課題が聞かれる。防火衣の未乾燥状態での着用は、防火衣本来の機能を発揮できないうえに、蒸気熱傷といったリスクが発生してしまう。同社が扱う米国アライアンス社の業務用乾燥機は、温風を上下から対流させること約2時間半(防火衣の素材により多少変わる)で最大6着の防火衣を乾燥させられる。さらに近年の進化として、「PPEキット」を使用することで、防火帽、面体、防火長靴の除染・乾燥が行える。令和7年1月31日には「異形物体除染方法の特許」を取得し、防火衣以外資機材除染ができる唯一のシステムとなっている。撥水処理後の効果はJIS規格5級を出せることが実証済みだ。
対応できる資機材が増加
同社の洗濯機・乾燥機の強みは、前項で記したとおり防火衣以外の装備品にも対応可能な点である。さらなるリクエストに応えた新たな仕様として、消火活動用の「ホース」も洗濯・乾燥が可能になっている。消火活動では地面や床を這うホースも汚染してしまう。また、寒冷地では降雪や凍結といった気象条件もあって、乾燥塔のみの対応には限界がある。ホース乾燥機は高価なので、更新も容易ではない。こういった問題に応えるため、新たなPPEキットと除染・乾燥プログラムを開発。ホースも洗濯・乾燥することが可能となった。防火衣のみならず特殊備品や資機材をほぼすべて乾燥できることを考えると、汎用性が高く、利用の幅が広いといえる。すでに、ウエットスーツや編ロープが洗濯・乾燥可能な他、ドライスーツや胴長、ハーネス類の乾燥も可能で、現在、洗濯プログラムを構築中という。
新たなサービス「洗濯機・乾燥機レンタル」を開始
エスエスティーでは洗濯機・乾燥機の販売とともに「エスエスティークリーニング便」という防火衣や資機材の配送型クリーニングサービスを行ってきたが、これらに加えて昨夏より洗濯機・乾燥機のレンタルを開始している。
除染が消防士の健康にかかわることが認知されるにつれ、防火衣用洗濯機と乾燥機への注目は高まっており、消防から同社への問い合わせも増えている。一方で、導入のネックになるのが費用面と設置スペースであり、庁舎の建替時に導入する例が圧倒的となっているのが実状だ。そこで、消防の負担を軽減するために同社が打ち出したのが洗濯機・乾燥機レンタルサービスになる。
「レンタル」に似たもので「リース」があるが、大きな違いは故障時の修繕をどちらが持つかという点だ。レンタルでは故障時のリスクをエスエスティー側が持つので、消防側の持ち出しはない。機器の法定耐用数数13年を加味すると、消防側にとってはかなりの好条件となる。エスエスティー側にとっては負担が大きくなるが防火衣およびPPE除染を普及するための企業努力と割り切った新サービスになる。レンタルサービスで消防側が必要なのは一次工事(電源・給排水設備など)のほか消耗品である専用の洗剤と撥水剤の購入費である。一次工事をレンタルに含むことや途中から購入へ切り替えるといった要望にも柔軟に対応している。導入費に悩んだ際には「エスエスティークリーニング便」とともに検討したいサービスだ。
消防向けの販売担当として全国各地の消防と対話してきたエスエスティーの大浦秀晴部長が、除染に対する強い思いを語ってくれた。
「除染の意識は情報に敏感な若手隊員を中心に発信され、意識が高まりつつある状況です。導入にあたって本部ごとの課題があるのも確かですが、活動現場に発がん性物質が存在することは間違いありません。導入をためらっている間も隊員の健康が日々脅かされている現実を改善したいという想いから『洗濯機・乾燥機レンタル』をスタートしました。メーカーとしての負担は大きいですが、諸国ではすでに当たり前になっている除染を、日本でも『文化』として定着するまでになってほしいと思っています」










●お問い合わせ先
株式会社エスエスティー
東京都中央区日本橋堀留町2-9-8
TEL 03-5651-8161
URL:https://www.sstechno.co.jp/
E-mail:info@sstechno.co.jp