消防技術の研究開発!<br>消防研究センターなどが施設公開

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消防技術の研究開発!
消防研究センターなどが施設公開

消防研究センターなどは2025年(令和7年)4月18日、敷地内の施設の公開や実演等を披露する一般公開を行った。

写真◎編集部

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2025年4月18日、東京・調布市にある消防研究センター、消防大学校、日本消防検定協会および一般財団法人消防防災科学センターでは、令和7年度の科学技術週間にあたり、研究開発や消防用機械器具の紹介等を目的とした一般公開を行った。

プログラムには、消防研究センターによる能登半島地震後に発生した輪島市の大規模火災の焼け止まり調査、住宅火災による死者数の将来推計などの災害研究調査、殉職・受傷事故の発生傾向、災害活動中の安全管理についてなど、消防に関する科学研究による技術展示が行われた。

実演では火災など、普段見学することのできない実験を目にすることができ、消防関係者から一般来場者まで、火災の恐ろしさや、火災性状について学ぶ機会となった。

消防研究センター 消防大学校
土砂災害現場におけるドローンの利活用に関する研究開発コーナーでは、本誌「Jレスキュー」でも全3回の連載で紹介した『令和6年能登半島地震 消防研究センターの技術支援』について紹介されていた。
消防研究センター 消防大学校
調査に使用される様々なドローンの展示。
消防研究センター 消防大学校
総務省消防庁消防研究センターが所有する情報収集分析車の展示。
消防研究センター 消防大学校
一般来場者にも楽しむことのできる住宅用消火器の消火体験や、屋内消火栓を使用した放水体験など、火災予防についても学ぶことができる展示もあった。
救急車・指揮車用パンク対応タイヤ
消防研究センター 消防大学校
救急車・指揮車用パンク対応タイヤの展示。消防庁消防大学校と消防研究センターとの共同開発によってできたパンク対応タイヤは、パンクが発生しても一定距離(40km/h以下の速度で50kmまで)走行できることを検証実験で確認されたタイヤ。現在、全国の消防本部で約150台導入されている。また、寒冷地含め、1年を通して使用できるスタッドレスタイヤとなっている。
消防研究センター 消防大学校
ノーマルタイヤがパンクした状態。タイヤが潰れているので走行が困難。
消防研究センター 消防大学校
パンク対応タイヤがパンクした状態。タイヤ内の空気が抜けても、タイヤ内側に内蔵されたサイド補強ゴムが車を支えているため、パンクしたまま走行が可能。
消防研究センター 消防大学校
モリタは「ITS Connect車載器」の展示として、普通免許対応車両3.5t未満CD-I型『ミラクルLight』を展示。
消防研究センター 消防大学校
トヨタ自動車も「ITS Connect」を搭載した救急車の展示とあわせて、オプション化された反射材についての解説も行われた。地域の実情を考慮し、規制をクリアできる反射材の貼付位置を提案している。
デモカーの添付位置は、側面、後面の組織名表記文字の添付する文字サイズも考えられたスペースを考慮。後面のシェブロンマーキングについては、地域によって添付できないため、今後の課題解決の一つとなるだろう。
軽油の燃焼「ボイルオーバー」の観察
消防研究センター 消防大学校
大規模火災実験棟では、激しい燃焼「ボイルオーバー」の観察。軽油の火災危険性を調べるため、直径1mの容器を用いた燃焼実験が行われた。ボイルオーバーとは、高温の燃料成分が水と接触することにより、水蒸気や油滴が発生し、爆発的な燃焼となる現象。写真は軽油を水に浮かべて点火し、燃焼を始めたところ。助燃剤として、へプタンを使用している。
消防研究センター 消防大学校
燃焼時間は約9分程度。点火6分程度で激しい燃焼「ボイルオーバー」が発生し、炎が爆発的に音を立てながら高く燃え上がる。
消防研究センター 消防大学校
燃焼後は自然と炎の勢いは収まっていく。

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